昨今のアウトドアブーム・キャンプ好きが高じてなのか「山で働くのもいいな」なんて声を聞くようになりました。嬉しいことです。
とはいえ、誰にでもできるような仕事でないのも事実。
体力的にはキツく、危険も伴う現場だからこそ向いているかどうかをしっかり判断してから飛び込んできてください。
林業に向いている人はこんな人
林業12年目、毎日山で木こりをやってきた私が思う林業に向いている人はこんな人です。
- 山が好き(必須)
- 体を動かすのが好き
- 遊び上手
- 凝り性
- 慎重派
- 声が大きい
- 虫が平気
↑これが2〜3個当てはまるなら適性アリじゃないかなと思います。
いくつか外れていても、先輩たちの影響でだんだん感化されていく部分もありますしね。
でも、本当に向いていない人は1日で辞めていきます。
林業への転職、IターンUターンを考えている皆さんは、決める前にぜひ参考にしてください。
経験を積んでも努力してもどうにもならない事ってあると思うので、あなたの人生の大切な時間を無駄にしないためにもぜひ。
林業に向いてない人の特性① 虫が苦手
虫を甘くみてはいけません。林業の現場にいる虫は「量も大きさもケタ違い」だと思ってください。
虫の実家にこちらがお邪魔しているようなものなのですから、文句は言えません。
ハエ・アブ・蜂・蚊・毛虫・ぶよ・アリが主な登場虫たちです。
特に蜂やアブはしつこく攻撃してきます。彼らのすみかを壊してしまうので仕方ないですよね。
虫が嫌いというだけでなく、アレルギーとかアナフィラキシーの経験がある方も慎重に考えたほうが良いと思います。
実際、私も同僚も年に数回ハチに刺されます。幸いショックを起こしたことはありませんが、動悸がしてヤバいかなと思ったことはあります。
何度も言いますが、虫を甘くみてはいけませんよ。
林業に向いてない人の特性② 紫外線に弱い
林業の仕事の中には「植林」や「下刈り」といった作業があります。
これらの作業は日陰のない炎天下で終日作業をします。
木がすくすく育つ環境は当然日当たりの良い場所だからです。
なので、日差しに弱いとか肌が弱い人はめちゃくちゃキツいと思います。
「林業」というと大きな木に囲まれた山中で仕事をするイメージを持たれる方がいます。木に囲まれた日陰で、ちょっと木漏れ日があるくらいのイメージです。
そんな場所での作業はごく一部です!山の斜面での作業は、遮るもののない日差しに一日中さらされることがほとんどですよ。
ちなみに自分は毎日日焼け止め塗ってますけど、めちゃくちゃ日に焼けます。冬でも黒いとよく言われます。
林業に向いてない人の特性③ 休みの日にすることが無い
意外と知られてない事実だと思うのですが、林業って休みも多くて残業もゼロなんです。
なので、休みを持て余しちゃうような人には絶対向いていません!
休みが多いのは、自然相手の仕事なので大雨や台風のときは仕事にならないからです。
地域によっては雪が多い冬季は完全休業になります。
日暮れ前に道具を片付けないと危ないので、残業もゼロ。自分の時間がちゃんと取れるんですよね。
なので、副業をやってる人も多いですし、先輩方も皆さん多趣味ですよ。
林業に向いてない人の特性④ 声が小さい
冗談抜きで、声が小さい人はマジで林業向いてないと思います。
スポ根で気合がうんぬんということでもなく、声が小さいと危ないんです単純に。
例えば、木を倒す瞬間に掛け声をかけます。万が一にも人の上に倒れることが無いように安全のための警告です。それが聞こえないような小声だったら意味ありますか?
さらに、何ヘクタールか先にいる仲間に進捗状況を聞く場面があります。1ヘクタールつまり1町は約100mです。声届きますか?
携帯のメールや電話が届かない聞こえない場所に行くので、自分の地声だけが頼りなんですよ。
林業に向いてない人の特性⑤ せっかち
山の仕事は、せっかちですぐ結果を出したい!じっくり育てるとか向いてねえ!と思う人はムリですね。向いてない。
林業の現場は「100年先を見据えて働け」と言われます。
木は100年かけて成長し、山と海を支え、守ります。
そういうイメージができる人がいい山師になるのです。(師匠の受け売りですが)
忍耐強く、待てる人は山向きですよ。
林業に向いてない人の特性⑥ 早起きが苦手
自分は毎日5時起きです。
林業は日の出ている時間だけが勝負なので、必然的に朝早く始業になるのです。
日の出前に起床することがほとんど。
なので、朝がどうしても苦手、夜型人間なんだという人にはちょっとキツいと思います。
もちろん生活リズムは習慣しだいだと思うので、だんだん慣れていく部分もあります。
でも、早起きが辛くて辛くてストレス…というのは好みの問題なんじゃないかなとも思うので、そこはムリしない方がいいと思いますよ。
林業に向いてない人の特性⑦ 地図が読めない
街中の普通の地図が苦手な人っていますよね。
地図をグルグル回しちゃう人なんかがまさにそうです。
地図が読めない人は正直、林業キツいんじゃないかなーと思います。
目印がない山の中で、標高図や航空写真を頼りに指示通りに作業を進めなければいけないからです。
カーナビやスマホの地図が普及したおかげで、地図オンチでも困らない世の中になりましたが、林業の現場ではまだまだ難解な古ーい地図を使ってるんですよ。
訓練次第である程度は山の地図も読めるようになるでしょうが、空間を把握する能力とか、頭の中で図形を回転させる能力とか、人それぞれ限界はありますよね。
意外と、地図を読む能力たいせつなので覚えておいてください!
まとめ
林業に向いてないのはこんな人!
- 虫が苦手
- 紫外線に弱い
- 休みの日にすることがない
- 声が小さい
- せっかち
- 早起きが苦手
- 地図が苦手
楽しく林業をする上で、障壁になりそうなところをあげてみました。
頑張ってもどうにもならないことってあります。
林業で求められている資質が分かった上で、チャレンジするかどうかを考えてみてください。
仮に向いてないとしても、林業を始めてみたら変わってくる部分も大いにあると思います。
人を成長させてくれるのも山ですからね!山はいいですよ!
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